第589話鎮魂の雷雨
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<コースタイム> 7/22
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7月9日にまぬは逝ってしまった。それで制約はなくなったが喪失感は大きく何もする気になれない。そうはいうものの少しでも前を見ようと恵理子さんと霧ヶ峰を歩くことにした。霧ヶ峰の電気柵の中では盛りは過ぎたもののまだニッコウキスゲが咲いている。 |
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一面のお花畑だった車山湿原から花が見られなくなって久しい。こうして歩いてみても夏の霧ヶ峰も暑くなったものだとあらためて思う。霧ヶ峰から世界を見ても地球の温暖化、さらにはファシズムの台頭と明るい未来は何もない。 |
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八島ケ原湿原は全域が鹿よけの柵に囲われているのでかつての霧ヶ峰の景観が残っている。今ではここでしか見られない花々に加えて何年振りかでアサギマダラを見かけた。 |
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梅雨は開けて猛暑の日々だが不安定な天気は続き、今日も午後になると雷が鳴り始めた。何とか駐車場までと思ったが、激しい雨が降り始め結局、ヒュッテみさやまに逃げ込むことになる。 |
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前は幾度となく通過しているヒュッテみさやまだが中に入るのは初めてである。昔の山荘の雰囲気を残す落ち着いた山小屋で、珍しくも若い女性ふたりが接客していた。トーストと紅茶の軽食を取り次第に遠ざかる雷鳴を聞いていて、これがまぬへの鎮魂歌なんだなとふと思う。 |
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